ほやほやめも

ほやほやとした頭の中のめも

瞼を縫った話

 ※あくまでも全て私の感想でありただの個人の日記です。

 

10月某日、仕事の休憩中ふと鏡を見るといつも以上に悲惨な顔。くっつけていたアイプチがいつのまにか取れかけていたのだ。

この顔で人前に出ていたのか…糊を持ってきていないので貼り直しができない絶望感。「よし、もう行っちゃおう」そのまま美容外科のカウンセリング予約を入れた。

 

私の生まれ持った分厚い一重瞼はテープや絆創膏、皮膜式などで持ち上がるほど簡単ではなかった。

テープも皮膜も瞼の上に乗っただけ。食い込みとは、持ち上がる原理とは…あれらで二重になる人は一重界の中でも所謂"勝ち組"なのだ。

つけまつげ+テープでなんとか少し二重のようなものを作ることには成功したが職業柄つけまつげができないことと目への違和感が酷いこともあり、普段は糊で瞼を完全に貼り付けるタイプのアイプチを使っていた。

ぱっと見奥二重っぽくはなるのだが無理矢理こじ開けてくっつけているにすぎないので恐らく周りから見て違和感はすごかっただろう。

毎日こんなことを続けていれば瞼の皮が伸びきって自らの手で実写版ぬっぺふほふを生み出してしまうという一抹の不安を抱えていたのもありいつか二重整形するぞ…!と思いながらなかなか踏み出せない日々を過ごしていた。

 

整形用に貯金は別にしていたし勝ち組側だった妹が数年前に埋没経験済なので話は少し聞いていた。正直下調べが面倒で踏み出せないところもあったが、下調べをしっかりして行った妹の情報を信じることにして同じところを予約した。

 

11月初旬、2連休初日に予約が取れたのでカウンセリングへ。妹によると当日施術も大丈夫だったとのことだったので、どちらになっても大丈夫なようにメイク道具一式、メガネ、コンタクトケースとちょっとした札束を鞄に入れて家を出た。

一重のまま外に出ることにとんでもなく嫌悪感を抱いていたのでサングラスを着けて行くことにした。マスクにサングラスで顔は見えないとはいえ電車に乗るのが少し怖かった。

 

最初に問診票を書いて診察室に入ると埋没と切開の違い、埋没の中でも留める数の違いで強度が変わることの説明を聞いた。

覚えてる範囲でとにかくざっくり言うと埋没は瞼を縫い留めて二重を作る。メリットは簡単でやり直しが効き腫れも少ない。デメリットとしては取れる可能性がある。切開はメスで瞼を切ってから縫う。メリットデメリットは埋没と逆。

先述の通り私の瞼は簡単に持ち上がらないのでカウンセリングでは埋没でもいけるか切開や脂肪吸引等も必要かどうかを相談するつもりだった。

「埋没でいけますよ」あっさり。まじか。

どのような形がいいか聞かれたが、私はとにかく二重になっていれば願ったり叶ったりで特にこだわりもなかったのでとりあえずプッシャーみたいなもので二重幅のパターンをシミュレーションして貰った。奥二重寄りの末広幅が一番自然かなという感じ。芸能人みたいなパッチリくっきり幅広な平行二重は不自然になることは重々自覚していたのでまあそんなものかな。

取れる可能性について聞いてみたけど個人差があるので一概には言えないとのこと。私の場合そこまで直ぐに外れることを懸念する要素は無さそうだと言われた。

ダウンタイムについては施術当日と翌日はコンタクト、メイクはできないが3日後からはどちらも大丈夫とのこと。社会人の方は土日でやっていく方もいますよと。思っていたより短い。

 

 

カウンセリングが終わり受付の方からプランと料金の説明を受ける。予算は多めに持ってきていたので問題はなかったのだがここで突然ビビりな自分が出てきてしまう。(今日こんなふらっと来て今からやりますって決めちゃって大丈夫…??2点留めと3点留めどっちにしようそのへん事前に調べたりしてないぞ…そもそも本当に埋没で大丈夫なのか?)

「ちょっと、考えても大丈夫ですか……」受付の方は1時間後以降の当日施術の空き時間も調べてくださった。たぶん10分くらいその場で頭ぐるぐるしていた。待たせてすいませんでした。

考えた結果おそらく今一旦置いて帰ったら次来る日の予約自体もビビって決められないと思い、腹を括って手持ちの万札達をその場で差し出すことにした。「…埋没3点で、今からお願いします。」

 

 

施術開始までは体感10分もなかったと思う。精算を終えると「では準備しますね」と言われてパウダールームで顔を洗った。

施術前の写真を1枚撮るとそのまますぐ手術室に通された。

プッシャーでもう一度シミュレーションした上で幅を決定し、コンタクトを外してベッドに寝転がる。

医療ドラマでしかみたことないあの大きな電気が目の前にあった。そっか、私今から手術するのか。今更湧いてくる実感。

目薬式の麻酔をして目を瞑った。麻酔の注射針が細すぎてびっくりした。髪の毛が当たったのか?くらい。先月打ったワクチンの方が数倍痛かった。

そこから麻酔が効いてくるので痛みはないのだが瞼に糸が通っていく感覚がなんとなくわかる。ヒェ。「瞼裏返して縫いますね〜」言わないで欲しかった…想像してしまう…

それから15分〜20分ほどで両目の施術が終わった。

痛みはなかったがとにかくなんとも言えない気持ち悪さにびっくりした。目にいろいろ入れてる訳だから当然なんだけど。

術中「麻酔無しで目を失ったキャラと比べたらこんなもの全然平気…」思うことで違和感に耐えることができた。ありがとう尾形上等兵

 

 

「終わりましたよ」と言われて起き上がると鏡を渡される。二重だ!!!けっこう腫れるのかなと思っていたのだが、ちょっと厚ぼったいかも程度なのでそのまま外に出れそうなくらいだ。

なにしろ多少厚ぼったかろうが他人から見て多少違和感があろうが一重でのまま外に出るより私のメンタルは1000倍マシなのだ。

瞼の感覚は突っ張るような違和感。別室で10分程で冷やす。その後痛み止めと軟骨を貰うとそのまま病院を出た。終始硬い表情だった受付のお姉さんが最後笑顔で見送ってくれたのが印象的だった。

 

 

ここからは当時Twitterの下書きに書き溜めていたものを交えながらダウンタイム経過と心境の変化について書きます。

 

2日目、少し昨日より腫れているかな。

とにかく安静に保冷剤を当てたり寝たり一日中ゆっくりして過ごした。

その晩突然メンヘラ人格が出た下書き↓

『たくさんの諭吉と痛みと気持ち悪さを犠牲にしてようやく手に入れたものを生まれながらに持ってる人がいるんだなと考えると突然虚無になった』

1日部屋にこもっているとメンタルも落ち込むものである。まあ突然顔変えた訳だし玉子豆腐メンタルな私が全く動じないなんてできない。

 

3日目、出勤日。

まだ少し腫れは残っているのでメイクで誤魔化すとするか…といつものようにアイライナーを引いた時、衝撃が走った。

…いつもと違う!!! 一重時代はどれだけラインを引こうがほぼ見えることはないので習字の止め、はらいが如くゴリゴリに引いていたのだ。睫毛の隙間を埋める?なにそれ何の意味が?と思っていた。

 

この日この瞬間から今まで何の参考にもならなかったあらゆるメイク解説のセオリーが「言葉」でなく「心」で理解できたのだ…!

 

これだけしか使わなくていいの?!アイライナー一生無くならねえな!すごい!

睫毛がちゃんとあがる!すごい!

二重幅に締め色!自然なグラデーション!できる!すごい!

…アイメイクってたのしいじゃん!!

 

4日目

少し腫れひいた? この日は少し寝坊てしまったがアイプチをせずともサッと眉毛を書くだけで外に出れる顔になったので遅刻せずに済んだ。

とてもありがたい。

私は金額に見合う以上の"時間"を買えたことを実感した。うれしい。

 

5日目

眼精疲労がすごい。

瞼を縫って筋肉をどうこうしているから当然だ。スマホ少し離れないと…

右目にめばちこのような違和感。痙攣も時々。あとは表情作ったりしっかり目を開ける時に違和感。これはそのうちとれてくるのだろうか

 

6日目

以前より腫れが引いてきて縫い目とかアザがちょっと見えるようになってきた

 

7日目

だんだん瞼の違和感が少なくなってきた。抑えた時の痛みはまだある。

私にとって常に違和感を感じていることが二重の条件だったのでそれがなくなってきたことでもう糸が取れてしまったのではないかという別の不安に時々襲われる。ついクセで瞼を持ち上げる仕草をしてしまう

十年は無理だとしても数年は持ってくれたらいいな……取れたら切開しよ

 

なんやかんやでもうすぐ施術から一か月になる。一週間で感じていた違和感はほぼなくなっている。アザや赤みももう見えない。

 

とにかく今メイクがたのしい。

今までひたすら瞼を濃くしようと避けてきたブラウン系のアイライナーやマスカラにも手を出せているし、pcに合うゴールド系の明るいアイメイクにも挑戦したい。

今まで理解できなかったあらゆるメイク動画が参考になることがわかったのでもうどれから見ようという状態。 皆様おすすめのコスメとかメイク動画いろいろと教えてください。

 

あとは前よりちゃんと鏡が見れるようになった。鏡を見て笑えるようになった。

先述した通り眉毛とマスクだけでも外に出られるメンタルになったので休日のフットワークが軽くなった。

今まで時間かけてメイクしないとと思うと面倒くさくて行けなかった近所のコンビニにもサッと行けるようになった。

今まで糸目や貼り付けた不自然な瞼を見られるのが怖くてなるべく人と目を合わせないようにしていたが最近人と目を合わせられる時間が増えた。まだ癖で少し怖いけどこれからもっと慣れていきたい。

 

時々ふと2日目のドブメンタルになる時もあるが、今の私は元々二重で生まれた人には味わえないと感動と嬉しさを実感できていると思うのでお金をかけてこの喜びを手に入れることができて良かったと考えるようにしている。

 

まあ取れることは前提で考えているのでそのへんは少しビビりつつではあるが取れた時にはすぐ切開行けるようにこれから貯金がんばろーっと!

 

おわり。

途中から走り書きの拙い文章でしたが最後までご覧頂いてありがとうございました!また思いつき次第編集、追記するかもしれないです。